需要が多くなる可能性が高い仕事です
ストレスの多い現代社会では心の病にかかる人が多く、精神科の需要が増えていますが、そんな中で薬物療法の専門職として、精神科薬物療法認定薬剤師の資格が注目されるようになっています。ここでは、これを取得する方法やその場合のメリットについて書いていくつもりです。
■精神科での薬剤師の仕事について精神科の治療法としては薬物療法が中心になっているので、特に専門知識や高度の技術を持つ薬剤師は歓迎されます。この科の場合には一般的に服薬の量が多いので、患者に対して服薬指導を行い、特に薬の副作用を減らすようにすることが大切です。
また、精神科では薬物療法の効果を判定する指標がないので、患者と実際ののやりとりを通して薬の効果を確認することが多くなり、コミュニケーション力も必要となってきます。さらにこの科での治療に対する効果は個人差が大きいので、それぞれの症状に合わせた薬剤を提案するということも重要な仕事です。
そして、退院後に再入院になる場合も多いので、それを防ぐにはどうすれば良いかということも良く考え、患者が退院後もしっかりと服薬を続けるように指導することも大切です。
精神科薬物療法認定薬剤師になるためには、精神科の薬物療法の経験が5年以上で、指定された学会のいずれかの会員であり、認定された講習会などで所定の単位を取り、患者の指導実績が50症以上という条件を満たした上で、認定試験に合格する必要があります。
このようにして認定されるにはただ知識を持っているというだけではなく、難しい症例も多いこの科における実績や見識が求められます。これらの条件は簡単なものとは言えませんが、需要が多く薬物療法にもいろいろなタイプのあるこの科で、向上心を持って働くことを望んでいる人の場合には、この認定を目指すことは効果的なスキルアップにもつながることでしょう。
このようにして認定された場合の利点として、服薬のときに医師に薬の提案をする場合、受け入れられる可能性が高まるということや、長期的になりやすい患者の服薬に対して、安全性が高く効果が上がるような飲み方を指導しやすくなるということが挙げられます。
また、精神科の場合、患者は増加していますが、入院よりも地域に住みながら通院する方向を目指す傾向があるので、将来的には薬剤師が患者宅を訪問して服薬指導する場合が増える可能性があり、そんなときにこの資格を持っている人は職場でも安心して依頼することができるでしょう。
さらに、服薬指導の場合には医師や看護師の他、保健薬局との連携も大切なので、そのような状況においてもこの職業の専門性は活かしやすいと言えます。