がん専門薬剤師の仕事の特徴について
がん治療は進歩を続けていますが、それと同時に、そこで働く医療関係者のレベルが上がることも期待されています。そんな中で薬剤師の場合も、がん領域での高水準の仕事ができる人材が求められており、その実力が認定される資格もあります。
■がん専門薬剤師とはこのような職業ですがん専門薬剤師は、がん領域の薬物療法で一定の水準以上の知識と技術を持ち、さらに医療現場で十分に働いたという実績を持っていることを認定された職業です。この職業に就くためには、認定研修施設での5年間の研修を行った上に、認定試験を受ける必要があります。
そして、この種の仕事では研究実績より臨床能力が重視されるようになっており、医療現場でその技術や知識を十分に活かすことが期待されています。さらにこの職業の場合には、5年ごとに更新する必要があり、そのときには講習単位と臨床実績が不可欠なので、働き始めるようになってからも、常に向上心を持って、勉強を続けていく意志があることが望まれます。
この制度は平成22年より制度内容が変わって、今まで以上に臨床能力を重視するようになり、認定試験でもがん患者への服薬方法や医師への薬に関する提案などを聞かれるようになってきています。また、この年から、薬剤師の資格としては初めて医療法上の広告を行うことが可能になりました。
さらに、対象となるのが病院に勤務している人達だけでなく、薬局や大学などで働く人達も含まれており、多くの人がこの資格取得を目指すことが望まれています。そして、この職業が重視されるのは、現在ではがん治療の高度化、多様化の中でより良質かつ安全な医療が求められているので、それに適した医療関係者の需要が増えているためと考えられます。
このような職業に就いた場合の利点として考えられるのは、医療関係者として非常にやりがいのある仕事ができるということです。この場合は医師や看護師など、同じ医療チームに属する関係者達の信頼感が増すので、その提案や発言を取り入れられる可能性が高まります。
また、がん治療では特に化学療法での副作用を心配する患者も多いのですが、事前にそのような副作用を察知して、より安全な治療を行えるようにしたり、患者の不安や悩みの相談を受けて彼らの精神面を支えるということもやりやすくなります。
そして、この職業の場合には、がんに関する専門の仕事という自覚と責任があるので、進化を続けるがん治療に適した勉強を行いやすくなるというメリットもあるでしょう。