調剤薬局については需要があるのか
薬剤師は昔から人気の職業であり、それは、これらについては高収入かつ安定といわれる世間のイメージによるところが大きいのでしょう。しかし、現実はそうでもないのですが、日本人は資格が大好きです。つまり、これらを取得していくことが、その人間の価値について高めていくと本気で思い込んでいます。
■薬剤師になる価値とは何でしょうそれでは、薬剤師になる価値とは何でしょうか。調剤であり、服薬指導であるといろんな意見があるでしょう。つまり、調剤薬局の経営者にとっては、これらの免許を持っていることがバリューであると言うかもしれないでしょう。
しかし、これらのバリューはDIであるでしょう。DIとはDrug Information(医薬品情報)の略であり、DIは医薬品の研究や開発、製造から使用まで、薬に関するさまざまところに存在しています。したがって、薬の情報提供に関してはこれらの仕事の要であり、患者に対する服薬指導や処方鑑査、医師に対する疑義照会などなど、これらに関してはすべてDI業務となっています。
また、調剤薬局の仕事に関しては、医師による処方せんに基づいて調剤していくことであり、とにかく処方せん通りに素早くかつ正確に調剤して患者に渡していくことこそ医薬分業が本格化してから、たくさんの有資格者はこれだけを行ってきています。
ただし、調剤報酬とはこれらの技術料に対するフィーとなっており、単に袋に薬を詰めていく仕事に技術料が必要であるのか、調剤報酬はこれらの技術レベルにおいて適正であるのか、こういった批判が起こり始めています。
当然ながら、調剤は単に薬を袋に詰めていくといった単純作業ではなく、処方ミスや薬物間相互作用をチェックしていくという専門技術が必要でしょう。
最近の調剤機器による技術進歩については素晴らしいものであり、入力していくだけで錠剤や散剤の調剤をすべて行ってくれるような分包機もあります。つまり、あと10年くらいすれば、完全に全自動によって調剤を行っていく機械が普及していくのではないかと思われます。
そして、自動販売機のように、ワンタッチによって薬が出てくるようなイメージです。また、調剤を手動によって行っていた時代には、調剤をすることができるものが重宝されていました。しかしながら、調剤が全自動化した場合に関しては、調剤行為そのもののバリューについては落ちるでしょう。
しかも、必要な有資格者の数も減ってくるでしょう。