6年制大学に通ってこそ取得できる失格
現在、薬剤師になるには2つのルートがあります。1つは、大学の養成課程(6年制)を卒業した後、国家試験を受験するルートです。もうひとつは、大学の薬学課程(4年制)から受験資格を得られる大学院に進んだあと、薬国家試験を受験するルートです。短期大学や専門学校、また大学も夜間部は一切ありません。
■人手不足は薬局経営者の大きな問題薬科大学か大学の薬学部の正規課程を修める必要があるので、独学では受験資格を得ることができません。人手不足は心配されていて、医薬分業の進展により、調剤薬局の増加にも拍車をかけています。現状は、1日で受付できる処方せんは40枚(科によって例外もある)と決められており、処方せんの枚数が多くなれば、それだけ薬剤師もおかなければなりません。
年間約9000人もの国家試験合格者のうち、最近ではその3割が薬局に就職しています。薬局・ドラッグストアの増加が上回っており、不足は薬局経営者のもっとも大きな問題となっています。地方や薬科大学のない地域で採用は現状大変難しくなっています。
高度な専門知識を求められ、2006年4月より薬学部の6年制が導入されました。これによって専門性の高い人を育てていくことになりました。なお従来の4年制は薬科学科として存続し、卒業後は薬学士として製薬企業や行政機関への就職や大学院修士・博士課程への進学を経て薬科学博士号を取得する道があります。
6年制のカリキュラムでは、病院、薬局の実務実習が必須となっており、実務実習を行う学生に必要な基本的能力が備わっているかを評価するための試験も課されます。2003年に薬学部が新設されてから続々と薬学部が誕生し薬学部がある大学の校数は1.5倍、定員は1.6倍に増加しました。
医師の指示にもとづいて、薬局や病院、診療所で薬の調剤、薬品の管理や販売にあたるのが主な塩事です。活躍の場は幅広く、薬局や病院、診療所のほかに製薬会社に勤務して薬品の研究や開発に携わる場合もあるようです。
また薬局を開業するケースもあります。全国的に見てみても不足傾向にあり、採用は広がっています。治療や薬の処方するのは医師ですが、患者さんに対して薬を提供するとともに、薬の作用や服用方法を分かりやすく説明するのが薬剤師の仕事です。
薬を提供する患者さんからの質問に的確に答えていくことで信頼されるようになり、自信もつきます。また自分が調合した薬で患者さんが快復していく姿を見るのは、大きなやりがいにつながります。