専門性を持ったスタッフが必要とされる医療現場
がん患者が多い日本では、外来で治療を続ける患者も大勢いることから、地域において、抗がん剤についてなど専門的な知識を持った医療スタッフの存在が重要となってきています。医療スタッフ一人一人のスキルアップが求められていることから、各種専門的な認定試験の存在が重要視されてきています。
専門性を兼ね備えた医療スタッフが必要日本人の三人に一人ががんを患うと言われるほど、日本人にとって、がんは身近な病気であり、また手術を終えたあとに外来で治療を続ける人が増えてきている事実もあります。主な外来治療は抗がん剤による投薬が基本の柱となっている場合が多いのですが、治療方法や薬の種類・量、治療期間などは患者によって様々で、専門知識や豊富な経験を備えた医療スタッフの元で治療を行う必要があります。
その中でも、がん治療における専門知識を持った薬剤師の存在が重要となっており、医師との連携を図りながら患者や患者家族ついてトータル的にサポートすることが必要とされています。薬や医療の基本的な知識を持ちながら、さらにがんなどの個々の病気について、病状や治療方法、薬について、より詳しく理解を深めた医療スタッフの存在が求められています。
外来治療を続けるがん患者のために設置された、「外来がん治療認定薬剤師」には、地域のがん患者をトータル的にサポートする役割が期待されています。認定を受けるためには、薬剤師としての経験が3年以上であること、日本臨床腫瘍薬学会(JASPO)が認定するがん領域の講習または研修を60単位以上履修していること、認定試験に合格することなど、厳しい条件が挙げられています。
このような、厳しいハードルをクリアした薬剤師が、地域のがん患者とその家族に密に関わることで、患者と病院との架け橋となり、医療全体が円滑に運営していくための手助けになるとも言われています。そのため、基本的な知識や経験を持ち、より詳しく理解を深めた医療スタッフの存在が求められています。
近年、医療分野の発展が目覚ましく、病気の解明や新薬の開発などが盛んに行われている現状があります。その結果、病気の治療が複雑化しており、また日本が長寿国であることから高齢化が進み、患者自身も複数の病気を抱えながら闘病に励んでいる現実もあります。
このような背景から、医療の現場において、個々の病気に対する専門性が求められており、患者一人一人への手厚いサポートが必要となってきています。それぞれの医療スタッフがスキルアップを目指し、複雑化する治療に対応していく必要があり、また外来治療を続ける患者に対し、個別に相談に応じることができるような環境づくりが求められています。