医療に貢献するために最低限必要な認定資格
大学卒業後に国家試験に合格し、一度免許を取得すれば生涯更新することなく身分が保証され資格に守られた安定した職業ともいわれていた時代は終わりを迎えつつあります。スキルアップの必要性が増している中、ここでは研修認定薬剤師について紹介しています。
最新の情報をキャッチアップしなくては淘汰される都市部では薬剤師の供給が多くなり、また医薬分業率は多くの県で7割を超え、今後、資格さえ持っていれば失業しないというのでは通らない時代になってきます。仮に失業しなくても薬学部を卒業した時の知識は、めまぐるしい進化を遂げる医療、医薬の分野ではすでに過去のものになってしまいます。
つまりスキルアップしていかなければ、患者さんからみてもアップデートされていない古い人だとみなされ必要とされなくなるということです。機械が代替できる作業も多くなっている現代で、処方された患者の状態に合わせた服薬方法など、患者の立場で正しい医薬品の使用についての提案が行えるかどうかが求められています。
医師でも認定医師や専門医師の証書を掲示している病院やクリニックは多いです。薬剤師もこうした資格を取得することでイメージアップを図ることができます。たとえば、最も多くの人が取得している認定資格に研修認定薬剤師があります。
これらは特定の領域についての認定ではなく、積極的に最新の薬物治療や医薬品情報に関して収集している者であることを保障してくれる資格です。近年では研修認定薬剤師になるための認定単位をもらえる機会は増えてきています。
決められた講演や研修会への出席や学会への参加が必要ですが、特に意識しなくても都道府県の薬剤師会が主催する講習会や研修に参加していけば比較的簡単に単位を集めることが可能です。裏を返せばこの認定すら受けていない人は知識が磨かれていないということです。
6年制がスタートした現在、4年制卒の人にとっては認定資格を取得することで、6年制の人と肩を並べているとPRすることもできます。所定の単位数を取得し、それをセンターに申請することで認定されます。製薬メーカーの主催する講習会なども研修対象として認められていますし、全国で多く開催されているので参加しやすいです。
また、通信教育やネットでの学習も対象となっており、地方在住でも取得は容易です。更新は3年ごとで、その3年間の内に必要な単位を取得していれば、継続して認められます。
ここで認められなくてもおおもとの国家資格に影響するものではないですが、日頃の研修を続けていれば取得できるものなので、スキルアップの目安になり自己研さんのためにも目指してみるといい資格です。