2017年06月07日

上位資格の取得をサポートする指導者

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特定領域認定制度は各専門分野に分かれており、より高度な知識が要求され認定を受けるのは簡単ではありません。そこからさらにスキルアップした特定領域の上位資格を指導するがん指導認定薬剤師についてここでは詳しく紹介しています。

進歩が著しい分野の指導者となる資格

専門薬剤師のなかで代表的なものががん薬物療法認定薬剤師です。その資格を取得しているもので、さらにスキルアップしたい場合に取得するのが指導者としての資格になるがん指導認定薬剤師です。

日本人の死因の第一位はがんであり、毎年およそ35万人前後の人が亡くなっています。がんと一口に言っても罹患部位はさまざまで男性は肺や胃、大腸が多く、女性は大腸や肺、胃の順で多くなっており、部位や進行の程度により優先する治療も異なります。

現在のがん治療は大きく手術療法や化学療法、放射線療法の3つに分けられ、近年では手術だけでなく化学療法や放射線治療の比重が高まってきているのが現状です。中でも薬剤師が大きく関係するのが化学療法の現場になります。

要件が多いがニーズは高まっている

指導者となるには前提としてがん薬物療法の専門認定を受けていることが一つの条件になっています。この認定資格はまず実務経験が5年以上あること、そして認定された研修施設において指定された実技研修を3か月以上履修していなければなりません。

また、がん患者への薬物管理指導の実績が50症例以上あり、複数のがんに携わったことがある者でなければならないなど要件も多いです。さらに病院長あるいは施設長の推薦がなければこの上位認定資格を取得することはできません。

また、認定期間は5年で、更新の際にも認定と同じく厳しい要件が定められています。認定要件を満たして実際に働いている者は1000人にも満たずそのほとんどは大学病院などの大病院に偏っており、ニーズの高まりに対して指導者不足、技量不足も課題の一つです。

高度な専門知識を持つ人材を養成する

専門性を身につけるために指定された研修施設で指導を行うのが、がん指導認定薬剤師です。がん薬物療法など、高度な知識を持ち治療にあたる人材を養成する指導者に与えられる認定資格になります。

医療法上、広告が可能な資格ですので、スキルアップすることで勤め先でのアピール材料にもなります。また、勤め先が研修施設となっているのであれば、指導者としてキャリアアップすることも可能です。要件は下位資格の取得後5年以上の実務経験があることはもちろん、がん領域の学会の会員でなければなりません。

また、国際学会や全国規模の大きな国内学会においてがん領域に関する学会発表を行っていることなども要件の一つです。