患者さんとの距離を縮めていくために
薬学部も6年制となった現在、医療の一翼を担う専門家として社会から見られ始めている薬剤師にとって、スキルアップする必要性についてしっかりと考える時にきています。ここでは専門性の証明となる資格取得について紹介しています。
何を患者から求められているのか患者さんからみて医師のようになることについて、大きなハードルを持っている人は多いです。すでに医学部でも先進した大学では医者同士が接するように薬剤師とのかかわりを持っているところもあります。つまり、内科の医師が眼科や耳鼻科の医師と接するように薬の専門家にも同様に接しているということです。
これは医療の専門家とチーム医療が進んできたと同時に、病院薬剤師の病棟業務での奮闘の結果がもたらしたものでもあります。自分が仮に内科や耳鼻科のように診療科目を掲げられる場合、患者さんからどんなことを求められているかをまずは考えてみることが大事です。
つまり、医師がやっていることを同じくやってのける必要があるということになります。
患者さんからの質問になんでも医師に聞いてくれでは通りません。せめて一般論として考えられることなど、自分の役割と責任の範囲で答えられることについては答えられるようになる必要があります。あるいは認定医や専門医を取得している医師が多いということを考えれば、研修センターによる認定制度の条件を満たすことは最低要件ともいえます。
学会発表や学術論文の投稿を医師は当たり前のように行っている以上、同様に行えるようになっておくことが大事です。加えてスキルアップする際にサプリメントアドバイザーや福祉住環境コーディネーターなどの資格を取得しておけば、話のきっかけになりやすい効果も期待できます。
個人や薬局の資格で比較的簡単に取得できて患者さんとの会話に効果がありそうなものを中心にスキルアップしていくことが大切です。ただし、ブームにのって片っ端から飛びついていくのではなく、個々にそれなりの意図をもって取得なり掲示をすることが重要になります。
専門性の証明として掲示して公開する以上は、その分野については責任を負う必要があります。取得してもその気力や能力がペーパードライバー並みのようなものであるならば、信用を落とすだけなので避けることが必要です。
専門家としての信用性を損なわず、患者さんに身近に感じてもらえるような取得を目指していくことが大事になります。