2017年06月15日

患者さんにアウトプットする視点をもつために

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保険では患者さんの服薬状況を6項目から7項目聞くことになっています。ついつい警察の事情聴取のようになってしまい、患者さんが委縮してしまうことも多いです。ここでは服薬指導に役立つスキルアップ法について紹介しています。

難しい患者との会話とどう向き合うか

薬は飲めていますかという質問に対して時々忘れますと答える患者にしっかり飲んでくださいという会話を続けていては、飲まなくてはいけないことは理解している患者にとって、何のプラスにもなりません。あるいは併用薬についても聞きっぱなしでコメントを返していないケースも多いです。

保険薬局の薬剤師は門前の医療機関と行政を見て仕事をしているとバッシングを受けることがあり、患者さんのほうを向いた服薬指導のスキルを磨いていくことが重要になります。

そのベースとなるのは、患者さんに対するアウトプットという視点からの指導の工夫を行うということです。医師などと比べ、薬剤師に対してやり取りすることが前提でない人は多いため、まずは下地をつくっていくことが大事です。

まずは受け入れてもらえるベースづくりを

医師やカウンセラーに対して患者さんはやりとりすることが前提なので、質問すれば返してくれますが、保険薬局ではその心づもりがないので、駅で切符を買うような感覚でやってきて、早く薬を受け取り帰りたいので、まるでセールスを断るかのように質問しても、代金はいくらですかとまったく異なる返答が返ってくることがあります。

保険行政の指導があるから服薬指導を行うのでは、この日本の状況を変えることは難しいです。そのため、まずできることから手を付け、世間にPRすること、そして患者さんの側からみてアウトプットを心がけることが重要になります。

PRするためには、資格も有効で持っていると指導が楽になるものもあります。

持っておくと指導管理スムーズになる資格

薬局でも自分の得意分野を掲示することで指導がスムーズになるケースもあります。薬剤師はみな同じではなく、資格を掲示してアピールしておけば専門医を選んで受診するのと同じように薬局を選んでくれる時代になる可能性もあります。

健康への意識の高まりからサプリメントを飲んでいるという人は多く、サプリメントアドバイザーの資格を持っていることで、指導を容易にすることも可能です。また、薬局に来た時に何らかの情報が得られるという意識を持ってもらうために、福祉住環境コーディネーターの資格を取得しても価値があります。

在宅医療では患者さんの居宅へ行くことになるので、住環境のアドバイスも一緒に行うことができれば、指導や薬学管理も効果的に行うことができます。