小児医療をサポートする薬剤師の仕事
こどもはおとなに比べてからだが小さく,とくに新生児・未熟児は非常に繊細です。また、こどもに関しては成長が一人一人異なります。そのため、薬の使い方や点滴のしかたなどあらゆる面でおとなの常識は通用しません。そこで登場するのが、小児薬物療法認定薬剤師です。ここでは、その役割や特徴に関してご案内いたします。
こどもと薬学を深く結びつける仕事
主な役割は大きく2つに分けられます。まず、医薬品に関する専門知識を持ちながら小児科領域の医療チームの一員として参加することです。そして2つめには、患者さんであるこどもとその保護者に対して、医薬品に関するアドバイスや教育などを行うことが挙げられます。
そのため、ただ単に薬学についての専門知識を持っているだけでなく、乳幼児であれば母乳と薬の関係性を熟知していることが求められ、薬を飲むことを嫌がるこどもには、どう薬を服用させれば良いかといった知識やテクニックなども求められます。
こどもと薬学を深く関連付けながら、知識やスキルを身につける必要がある仕事と言えるでしょう。
取得のために予め必要なこととは
この資格を取得するためには、薬剤師免許を取得して3年以上の実務経験を有していることが必要となります。その上で、小児薬物療法研修会を受講します。e-ラーニング方式を採用しているので自宅でネットを使って受講することが可能です。
しかしながら研修に関しては短い募集期間で定員もそれほど多くはないため、すぐに定員に達することもあります。研修を修了すると、資格試験を受ける権利が与えられます。これに合格する必要があります。
合格後は、日本薬剤師研修センターに登録された小児科病棟で実務研修を受けることになります。なお、資格は3年で失効となるので定められた更新手続きをする必要があります。
活躍できる職場やこの仕事のやりがいとは
主な勤務先は、小児患者がいる病院などの医療現場となります。最近では、薬局などで育児中の母親に対する相談窓口を設けていることもあるので、その様な薬局でも活躍することができます。
また、今後は保育所や幼稚園でも需要が高まっていくことでしょう。不安を抱えがちな小児患者やその家族、育児中の母親等に対して安心感を与えられるようなコミュニケーション、そして信頼関係を築くことができることが他にはないやりがいへと繋がっていくことでしょう。
小児医療という専門性の高い分野での仕事ではありますが、日々の積み重ねで知識や技術を修得することで自分自身のキャリアアップにも繋がっていくことでしょう。