スポーツ愛好家へ正しい薬の知識を啓蒙する仕事
スポーツに関する大きな大会などで、ドーピングにより出場を停止させられたり、記録を取消させられたりといったニュースを見かけることがあります。ドーピングには、競技能力や記録の向上を目的として意図的に禁止薬が使用される場合と、不注意で利用してしまう場合の2つがあります。そこで、選手に正しい薬の知識を啓蒙するのが公認スポーツファーマシストです。ここでは、その仕事内容や特徴に関して詳しくみてまいります。
薬への正しい知識を広めてスポーツを推進する仕事
主な仕事内容は、スポーツ選手の薬の相談やアドバイスとなります。風邪薬やドリンク剤などにもドーピング対象の成分が含まれていることがあるので、スポーツ選手が服用する際には事前に調べて、服用の可否を判断します。
また、国体に向けての都道府県選手団への情報提供や啓発活動、スポーツ競技者および指導者への情報提供や啓発活動も行います。さらに、講演会などで講師を任せられることもあります。また、昨今では健康推進の一環として高齢者のスポーツ人口もかなり増えてきています。
高齢者に安全にスポーツを楽しんでもらうために、スポーツと薬の関係を知ってもらう架け橋となる役割も担っています。
資格取得を目指すために必要なこととは
まず、試験を受けるまでには、1年程度の期間が必要となります。認定プログラム受講の申込みをした後は、基礎講習会に参加します。次に実務講習会を受けて、知識到達度確認試験まで漕ぎ着くことができます。
この試験で合格すれば、公認スポーツファーマシストとして認定されます。試験自体はそれほど難しくはありませんが、スポーツに興味があると共に高い意識を持って仕事に取り組む姿勢が必要となります。また、プロのアスリートと接する場合にはより責任を持つことが求められます。
取得後は認定機関が4年間となりますが、常に最新の知識を身に付けるためにも認定後も毎年実務講習会の受講が義務づけられています。
公認スポーツファーマシストが活躍できる職場とは
取得後は、スポーツ選手が受診する病院や保険薬局、ドラッグストアなどで活躍することができます。スポーツ専門のドクターがいる病院では、より資格を活かしながら従事することができることでしょう。
また、国体では都道府県選手団への情報提供や啓発活動で活躍することができます。さらに、学校教育の現場でも薬物に関する知識を広めるために活躍している方は少なくありません。この様に、直接スポーツ選手に関わること以外にも、幅広い分野で需要があることが分かります。
しかしながら、薬剤師が主に勤務する調剤薬局などと比べると、常に求人があるとは限りません。そのため、薬剤師に特化した専門の求人サイトなどを参考に探してみることをおすすめします。