時代とともに変化をしている環境
薬剤師の資格を持っている人が働いている環境は時代とともに変化しています。環境がかわるだけでなく、その中で求められている役割や責任なども変化しています。ここでは、このような現状に関する情報を、ご紹介します。
薬局を利用している人の割合の変化
薬剤師はさまざまな職場で働いています。この資格を持つ人が多く働いている職場の一つが薬局です。保険薬局を利用した人の目安となっている処方箋受取率は、この30年間の間に大きく増加しています。処方箋受取率とは、外来の患者が保険薬局で調剤のサービスを利用した割合のことで、2018年にはおよそ74パーセントの割合になっています。
30年前の1988年における処方箋受取率は10.6パーセントだったので、この30年間に60パーセント以上割合が増加しました。こうした処方箋受取率の増加にともない、この資格を持つ人の数も大きく増加しています。
1988年にはおよそ14万人の人がこの資格をもっていましたが、2018年にはこの資格を持つ人の数はおよそ31万人にまで増加しました。この30年間で約17万人もこの資格を取得して働いている人が増えています。資格を持つ人が増えたことにより、求人の内容も大きく変化しました。薬局に勤務している人の数も増加していて、2018年にはおよそ18万人の人が薬局で働いていました。これは1988年に薬局で働いていたこの資格を持つ人の数と比較すると、約3.7倍にまで増加しています。このように薬局で働く人の数が大きく増加したのは、全国各地に新しい薬局が作られるようになったからです。新しいお店で薬を販売するためには資格を取得した人を雇用する必要があるため、それにともなって多くの人が薬局で働くようになりました。
分業により変化している仕事の内容
仕事の内容の面でも大きく変化しています。最近の医療業界で進められているのは、医薬の分業です。患者の診療を担当する仕事と、患者に必要な医薬品に関連する仕事を、それぞれの専門家がより責任を持っておこなうことが重視されるようになりました。
こうした変化にともなって変化しているのが、病院や診療所などで働いている人の仕事の内容です。これまでは、外来患者に調剤をおこなうのが、病院に勤務している人の主な仕事の内容でしたが、最近ではより幅広い種類の仕事も担当するようになっています。
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病院で任されることが多くなっている仕事
病院に勤務している薬剤師が任されることが多くなったのが、入院している患者の管理です。病院に入院している患者も薬を服用していることが多いために、こうした患者の薬に関する管理も任されるようになっています。