2022年03月21日

薬学部は留年率が一般の大学よりも高い

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

薬剤師は就職先は非常に多く、再就職もハードルが低い資格です。給与も良いので安定職として昔から人気でした。ただ取得までが大変な事や学費が高額である事が今も昔もネックになっています。養成機関である薬学部などに入学する事になりますが、そう簡単に進級はできず留年する人は毎年います。ではその原因はなんなのでしょうか。

薬学部の留年率はどのくらいなのか

一般の大学は4年制で薬学部は6年制、そして内容も異なるので比較し難い面はありますが留年率に差はあります。一般大学で4年間の内留年せずに卒業する割合が81%程です。つまり19%程の方が4年の間に1度は留年している事になります。

薬学部の場合は6年間で1度以上留年する割合は36%程と高くなっています。国立大学と私立大学がありますが、私立大学薬学部での調査結果となっています。64%の人が1度も留年せずに卒業できるのですが、10人に4人は留年するとなると、そう少ない事はありません。

留年率が多い背景には授業内容と学力の差が要因

薬学部に留年する人が多い背景には、人の命に関わり領域である事や、取得単位数の多さ及び大学間の偏差値差の大きさが挙げられています。薬剤師は薬学のプロであり、薬は治療薬にも毒にもなりますので使用方法を誤ると患者の命を奪います。

大学の目的は学士を取得させる事ですが、薬学部の場合は加えてプロを育てる事です。妥協なく知識・学力が足りない学生は進級する事は許されず、一般大学より進級条件は厳しく設定されています。取得単位数の多さも留年率が高い要因で、カリキュラムは文部科学省で定められています。

必修単位が多く1年次より時間を遊びに費やせ難く、単位を落とすと進級できないものが多いです。そして大学間で偏差値に大きな開きがある事が全国的に問題にもなっています。最上位と最下位での偏差値差は27となっており、その差があるにも関わらず目指す先は同じく薬剤師国家試験合格です。当然偏差値が高い大学より低い大学ではカリキュラムをこなせる人数が少なくなる傾向にあります。

私立大学の薬学部は学費が高いので留年は命取り

留年するという事は、同じ学年をやり直すか辞めるか選択する事になります。しかし再挑戦したくてもできない場合も当然起こります。それが学費です。私立大学では6年間で1200万円程の費用が必要です。年間200万円程の授業料が発生しますので、留年した場合は当然その年の授業料支払い義務が生じます。

経済的負担が非常に大きくなるので、続けたくても辞めなければならない人も多いです。6年間の間で退学する生徒の割合ですが、これは大学ごとに異なります。ただ最も多い私立大学で56%である事から、その背景には留年による経済的負担を鑑みて選択した生徒もいるでしょう。