2023年12月21日

処方せんなしで薬を求める患者さんへの対処方法

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薬には処方せんなしでも提供できるものがありますが、処方せんがないと渡せないものもあります。患者さんの中には、処方せんがないにも関わらず薬を求めてくる人がいます。渡せないルールになっていると、杓子定規に断ってしまうのは患者さんを不快にするだけで良い対応とは言えません。患者さんの話に耳を傾けて話を聞いたうえで処方せんの必要性を説明し、薬を渡せない理由を理解してもらえるようにしなければいけません。

面倒くさいと受診を嫌がる患者さんへの対処方法

医療機関を受診するのを面倒に感じて薬だけを求めてくる人がいます。症状が安定している場合や、長く継続して同じ薬を服用している場合に多いです。患者さん自身が受診の必要性を感じていないため、単に時間のかかる面倒な手続きだと判断していると思われます。

対処としては、受診の重要性を説明することで理解を得るのが重要で、定期的な検査を受けているからこそ安定した状態を保てていることを説明すると効果的です。突然に今までとは違う症状が出ることもあり、発見が遅れれば深刻な事態になることもあると分かれば、受診に前向きになってくれることが多いです。

また、オンライン診療など時間節約に効果のある方法を合わせて説明することも有効な対処法になります。

処方せんの紛失や期限切れに対する対処方法

処方せんには有効期限が設定されていて、それを経過している場合は薬を渡すことはできません。期限切れになってから僅かな時間しか経っていない場合でも、薬剤師の判断で有効期限を延長したり再発行したりすることは許されないことです。

再度受診して処方せんを再発行してもらう必要がありますが、再発行は医療機関ごとに取り扱いに関するルールを持っているので、処方せんを交付した医療機関に確認してから患者さんに伝えることが大切です。紛失した場合も再発行を受ける必要があるので、同様の対応が求められます。

所定の量や回数を超えた服用による不足への対処方法

服用したことを忘れて更に薬を飲めば、決められた回数や分量を超えてしまい、次回の診療の前に薬が無くなってしまうことがあります。次回受診までの間を繋ぐため、処方せんなしでの薬の交付を求める患者さんがいます。

事情が把握できれば気持ちは理解できますが、薬剤師の判断でつなぎの薬を出すわけにはいきません。医療機関による処方せんの再発行が必要なケースですが、薬剤師としては決められた服用の重要性を説明するべき状況です。

適切な服薬指導で、薬の飲み過ぎによるリスクを理解してもらうことは再発防止に効果があります。