2023年12月05日

うつ病患者の服薬指導で気を付けるべきこと

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薬剤師の服薬指導は、薬を必要とするすべての人が対象になるので、うつ病患者も当然含まれます。他の疾患とは違う点も多く、服薬指導の際には注意するべき点がいくつもあります。自ら命を絶ってしまう恐れもある精神疾患なので、対応に慎重さが求められる患者で、事前の準備を入念に行い対応する必要がある相手です。

自覚症状があるかどうかの確認は不可欠

うつ病は自覚症状があるか否かで服薬指導の内容が変わるので、その確認が不可欠です。気分が落ち込んだ状態が長く続いていたり、苛立ちを強く感じていたりするなら、自覚症状があると言えます。

深刻な状態なら人生を終わらせたいという希望を持っていることもあります。また、日常生活の中に異変が出ている場合もあり、眠れないや食欲がないなどの症状が出ます。倦怠感がとれず何に対してもやる気に慣れないというのも、自覚症状があると判断できる要素になります。

服用している薬の有無や内容の確認も重要

うつ病は長い期間患うことが珍しくない疾患で、既に何らかの薬を服用している可能性があります。服用中の薬を確認せずに対応するのは、大きなリスクを伴う絶対にしてはいけないことです。うつ病は再発が多く見られることも特徴で、何度も発症を繰り返している人も少なくありません。

現在の服用状況だけでなく、過去に利用した薬に関する情報も可能な限り聞き取る必要があります。医師によって処方された薬だけを対象にしたのでは不十分です。街の薬局で買える市販薬についても確認が必要で、単なるサプリメントなども関係ないとは言えません。

薬の服用状況の確認は、薬の種類だけではなく決められたとおりに服用していたかについても確認しておきましょう。うつ病という疾患の性質上前向きに治療に取り組めない患者もいるので、服用状況の確認は必ず行うべきことです。

うつ病以外の疾患を持っているかどうかも要確認

うつ病は投薬によって引き起こされることもある疾患なので、他の病気の治療のための投薬が原因で発症することもあります。この場合は投薬を中止すれば症状が改善しますが、他の疾患の治療上止められない場合もあります。

また現在発症していなくても、将来的に発症する可能性があるなら定期的な検査を促すことも重要です。他の疾患を確認することなく、うつ病の症状だけを見て服薬指導を行ってしまうと、間違った方向に進んでいく結果になるので絶対に避けなければいけません。