注射剤を混合することで発生する配合変化
薬剤師が注射剤を調剤する時に注意しなければいけないのは配合の変化です。異なる注射剤を混合した場合に配合変化が起こることがあるので、注射剤の性質が変わってしまうこともあります。ここでは、注射剤を混合する際に注意すべきことについて解説します。
配合変化することもある混合した注射剤
薬剤師は複数の種類の注射剤を混合してから、患者に使用することがあります。ですが、特定の種類の注射剤を混合することにより配合変化が起こることがあります。
配合変化によって混合された注射剤の色が変わることもあり、色が変色している場合には、混合したことが適切であったかどうか確認することが必要です。調剤をした注射剤を看護師が使用した時に、配合変化が起こっていることがわかることもあります。
このような場合には、注射をおこなった看護師からすぐに必要な情報を収集することが正しい対応法です。
配合変化が起こった場合に確認すべきもの
注射剤の混合により配合変化が起こった場合にまず確認しなければいけないものは、混合した注射剤に添付されている書類です。こうした書類には薬を使用するうえで注意しなければいけないことが細かく書かれているので、何が原因で配合変化が起こったのかわかることがあります。
注射剤の添付書類には、混合してはいけない薬剤の種類が具体的に書かれていることもあります。生理食塩水以外の液体と混ざることができないことが添付書類に記載されていることもあり、このようなタイプの注射剤に生理食塩水以外の液体を混ぜてしまうと、配合変化が起きる原因となります。
注射剤を混合したことにより起こる変化
注射剤を混合したことに配合変化が発生した場合、さまざまな変化が薬に現れることがあります。変色以外に発生することがあるのは沈殿です。注射剤の入っている容器の底に何かがたまっている場合には、沈殿物が発生している可能性が高いです。
混合によりこうした沈殿物が発生することがあるのは、注射剤は基本的に単独で使用した時に安定した状態になるように作られているからです。混合した注射剤の種類によっては、液体に濁りが発生することもあります。結晶ができることもあり、これらの変化は全て目で見て確認できます。
ですが注射剤の混合により発生する配合変化の中には、目で見ただけではわからないものもあります。添付している書類の注意事項を薬剤師がしっかりと守れば、こうした配合変化が起こることを避けられます。