小児科などで働く上で大切なこと
18歳までの子供の患者が対象となる小児科は成人と比べても治療法が簡単ではない場合が多く、それは服薬に関することでも同じことが言えます。では、小児科などで働く薬剤師の役割にはどんなものがあるのか、紹介していきます。
正しく子供を観察できているかを把握する
小児科ではまず、基本的には患者の保護者や付き添いの方に病気や治療の説明を行いますが、薬剤師は使用する薬の飲み方や効果などを説明、指導を行うことになります。ほとんどの場合、保護者の方は真剣に聞いてくれるものですが、中にはあいまいな返答をする方もいて、患者の既往歴を把握していなかったり、普段と違う様子に気付かなかったりすることもあります。
ですので、始めから懐疑的な態度を取るのではありませんが、保護者の言っていることが信じるに足る言動かどうかを見極める力が求められます。そうなると、患者本人だけではなく、保護者の様子にも気を配る必要が生じますが、全ては子供の回復のためですので、保護者との信頼関係がしっかりと結べるように努力をすることも大切です。
自分ではなく相手が理解できる言葉を選ぶ
そして、服薬指導は保護者にまず始めにするものですが、ある程度の理解ができる年齢など場合によっては患者本人に服薬指導を行うこともあります。この時、成人の患者と同様に患者が薬や治療の意味を受け入れられるように、丁寧な説明を行いますが、小児科の患者に対してはより分かりやすい言葉や説明で理解を促すこととなります。
そのため、専門的な医学用語だけではなく単語としても理解しにくいものは使用することは避けて、知っている単語や例え話を用いるなどの工夫をこらすことが重要となります。大人でもそうですが、子供も自分の病気がどんなものか、薬を飲むことによってどんな状態になるのか不安になるのは同じです。
そのため、第一に患者にも保護者にも安心感を与えることが大切にとなりますので、この点を意識して説明をするようにします。
体重の把握は処方に必要な必須条件
なお、市販薬の注意書きにもあるように、薬は使用する年齢によって使用料が異なりますが、小児科でも薬の処方を年齢だけではなく体重を考慮して処方することになります。そのため患者の年齢だけで判断するのではなく、体重を把握して適切な処方をすることが求められます。
また、患者の中には苦い薬などを飲んだ経験から服薬そのものを嫌がったり、副作用から薬を怖がったりする方も存在します。そんな時は、味を感じない薬に変更をする、副作用を避ける、あるいは軽くする処方を行う、などの患者一人一人に対する臨機応変な対応をすることが重要です。
服薬をすることが苦手で今後の治療を拒むことがないように、薬剤師には薬に対する不安感や苦手意識を組福するお手伝いをするスキルも必要となります。