調剤のために使われた国家予算などの変化
薬剤師は医師が書いた処方せんを元にして調剤をする仕事です。医師が書いた処方せんの数が多くなれば、全国で調剤される医薬品の数も増加します。医師が書く処方せんの数は時代とともに変化しているので、この仕事をしている人が調剤する医薬品の数も変化しています。ここでは、この仕事をしている人にとって重要な関係がある処方せんのことについて解説します。
調剤のために使われる国家予算の増加
1990年代の初めにおいて、医師から書いてもらった処方せんを薬局で調剤してもらった人の割合はおよそ12パーセント程度でした。このような調剤のために使用された国家予算の額はおよそ6100億円でした。
それから10年後の2000年代の前半には、薬局で処方せんを調剤してもらった人の割合は44パーセントまで上昇しています。この時期に調剤のために使用された国家予算は3兆円以上になり、10年間の間に4倍以上増加しています。
この短期間で医薬品を調剤するために使用された国家予算が急激に増加したのは、国民の中に占める高齢者の割合が増加したことが一つの理由です。高齢になるとさまざまな医薬品の服用が必要になることも多くなるので、薬局で処方せんを調剤してもらった人の数も増加しました。
6兆円以上に増加した2010年代の予算
処方せんを薬局で増加したもらった人の割合は、2010年代になるとさらに増加します。2010年代の初頭における、処方せんを薬局で調剤してもらった人の割合は全体のおよそ64パーセントです。調剤のために使用された国家予算もさらに増加し、6兆円以上の国家予算が調剤のために使用されています。
日本の人口における高齢者の割合はさらに増加することが予想されていることから、医薬品の調剤のために使用される国家予算の額もさらに増加する見込みです。
一つの薬局で処方せんを扱った数の変化
病院の外で調剤される処方せんの数が増加するにつれて、1つの薬局で調剤した処方せんの平均的な枚数も増加しています。1990年代の初めにおいて薬局で扱われた処方せんの平均的な枚数は、1店あたり5000枚程度でした。
2000年代の初めになると、薬局1店あたりで扱った処方せんの枚数は12000枚以上に増えています。これらの各データから、10年の間に薬局で扱う処方せんの数が2倍以上になったことがわかります。2010年代の初めになると、その数はさらに14000枚以上にまで増加しています。