薬剤の有資格者が働くフィールド
薬剤師にとっては調剤薬局で働くのか、それともドラッグストアで働くのか、こうした悩みもあるかと思います。どちらも、患者さんに携わりますし、薬剤を扱うことに変わりはしません。しかし、将来性を考えると、就職や転職にはどちらが良いのでしょうか。
調剤薬局にこそ将来的な魅力がある
日本では保険医療の親和性が高めです。将来的にもこの傾向は変わらないともいわれています。製薬業界ではまだまだOTC市場よりも医療用医薬品の市場のほうが占めています。ドラッグストアではセルフメディケーション税制の意味合いは薄めでもあり、調剤薬局が将来性を高める意見が聞かれています。
また、診断がくだせるのは医師のみ、なので医師との連携がはかれるのは調剤薬局だとも捉えられています。もちろん、ドラッグストアも将来性はあるかもしれませんが、オンライン服薬指導が広まったり、通販生活も考えると調剤薬局を推す声は大きいようです。
ドラッグストアにこそ将来的な魅力がある
調剤併設のドラッグストアも増えていることで、小規模薬局が衰退する意見もあります。ドラッグストアの商品についてはスーパーに負けず劣らずな価格設定です。さらに、薬の待ち時間を退屈させないようにドラッグストアの中で買い物ができます。
お客さんには有意義に過ごすメリットがあり、企業側は売り上げに繋がります。また、ドラッグストアでは自己研鑽もできるほか、資格支援、福利厚生、働きやすさなどが魅力です。患者さんへの手厚いサポートではなく、お客さんへの手厚いサポートだけに若手を育てやすいといいます。
次世代薬局という未来型もメリット
調剤薬局やドラッグストアだけでなく、近年では次世代薬局「薬局3.0」が将来的に生き残るといわれています。今後、薬剤の有資格者の業務が幅広くなれば、一人ひとりの知識や技術などの質もよくなるでしょう。もしも、薬局3.0化がスムーズに進むことになれば、ドラッグストアでOTCを扱う薬剤師が少なくはなっても、他の業務に携われるのでマンネリ化はしません。
薬局3.0は、少子高齢化や医療費の高騰などにより、処方せん応需をメインにしながらも、在宅療養支援に取り組む姿勢をもちます。ハイブリッドタイプの薬局です。
薬を配達したり、服薬支援を行うだけでなく、医師や看護師、歯科医師などとも連携して薬物治療を実践します。長く務める薬剤師であっても有資格者で良かったという意味をもたせる環境です。