2017年04月25日

薬剤師と医師が協同するチーム医療

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医師の業務負担を軽減することに加えて、医療の質向上に資することを目的として、医療チームの中で薬剤の専門家である薬剤師の比重が高まっています。医療スタッフが、それぞれの特性を活かしながら、チームとして連携することで、チーム医療の推進が図られています。

■医薬分業制度における薬剤師に期待される役割

チーム医療は、医師をはじめとする、看護師、臨床検査技師などの医療スタッフが協働、連携して患者の治療に当たる医療体制です。医療スタッフそれぞれが、各々の高い専門性を、情報を共有し、業務を分担し、互いに連携、補完し合うことで、より質の高い医療を提供することがチーム医療の最大の目的です。この最近、医療技術の進展とともに、薬物療法も非常に高度化しています。医療の質の向上及び医療安全の確保の観点から、薬剤の専門家が所属する薬局が薬物療法に参加することで。治療にとって大きなメリットがあります。これまでの処方においては、医師が処方した処方箋に基づいて調剤を行います。最近は、処方箋に対して意見を述べ、安全かつ効果的な治療を実現できます。

■医薬分業制度が導入された根底にある理念

処方医は、処方箋を出し、薬剤に関することを薬剤の専門家が勤務する院外薬局に任せることで、一層診療に専念できる環境を整備します。現在の診療には、待ち時間が長いのに診療時間が短いという問題があります。医師でなくてもできる仕事は、それぞれの専門の医療のスタッフに任せ、医師は医師がやるべき仕事に集中することができるようになります。これにより、患者は充実した医療を受けられるようになり、医療の質の向上に貢献します。医師が書いた処方箋に基づいて調剤をしますが、病歴や薬歴を管理し、薬剤に対する専門知識から、主治医に対して、よりよい処方を提案することもできます。薬を交付する際も、薬の正しい服用方法や留意点などを、わかりやすく服薬指導することで、薬を安全に、かう効果的に服用し、治療にやくだってることができます。

■医療費の適正化につながる分業体制

国の財政を大きく圧迫している最大の要素は、借金、次いで、年金ですが、医療費も極めて大きな割合を示しています。医療費の中でも薬剤費の占める割合は大きくなっています。自分の受けている薬物治療の内容について、薬剤の専門家から正確な話を聞くことができます。また、高齢者の患者の中にはかけもち受診を行うケースがあります。かかった診療科ごとに薬が処方され、飲み合わせから副作用が引き起こされる可能性もあります。薬歴の管理で未然に防止することもできますし、無駄な薬の処方を防ぎ、医療費の削減にもつながります。これにより医療費の適正化も実現できます。必要な薬を適切に服用することで、過剰投与や薬害のリスクを減らすことができます。