専門性の高い認定制度でスキルアップを目指す
高齢化が進行していく現在、よりよい医療システムの構築こそが緊急の課題とされています。「いつでも・どこでも・誰でも」質の高い医療を受けることが可能な社会を実現するために、ポイントとなるのが「プライマリ・ケア」の理念です。
■医療分野で重要視される「プライマリ・ケア」近年、注目を集めている「プライマリ・ケア」とは、国民の健康福祉に関わるあらゆる問題を、総合的かつ継続的に解決していこうとする地域での実践活動のことを指しています。従来、日本の社会では、開業医や一般病院の外来における内科医・小児科医などが、”かかりつけ医”と呼ばれる立場でその役割を担ってきました。けれども、地域と密着した総合的な医療システムを実現するためには、医師だけではなく、薬剤師、看護師、介護・福祉職などのスペシャリストが連携する必要があります。なかでも薬剤師は、病気と医薬品に対する専門的な知識を生かして、患者をサポートできる存在として期待が高まっています。
■「プライマリ認定」には総合的な医療知識が必要地域を基盤として継続的に展開される「プライマリ・ケア」において、実践の担い手となるのがプライマリ・ケア認定薬剤師です。短期間の疾病に限らず、長期に渡って健康状態を見守りながら、治療に参加します。その際、患者の状態を総合的に見ながら、必要な対策を提案して実行する能力が要求されます。そのため、薬品の知識に加えて疾病に関わる多様な情報や、さまざまな職種とのコミュニケーション能力が不可欠となります。このプライマリ・ケア認定薬剤師の資格は、「日本プライマリ・ケア連合学会」主催の研修会や指定の研修・講座を4年間に50単位修得した後、試験に合格すれば取得することができます。
■地域医療で期待されるスペシャリストの役割プライマリ・ケア認定薬剤師の理念は、”地域で医療に取り組む”こと。患者の身近にあって薬のケアを行いながら、健康上の不安やストレスを解消したり、相談に乗ったりという大切な役割を果たします。ただ単に、治療に使用されている薬が適正かを見極めるだけではなく、体に与える影響や患者の心理面にも配慮しながら、継続的なパートナーシップを築いていくことを目指しています。その意味では、医療機関に勤務するだけではなく、地域の団体などに所属して健康維持につながる指導を行ったり、在宅医療の分野でリーダー的な存在となることも大いに期待できます。今後、医療ニーズの多様化にともない、薬剤師の重要性はますます高まっていくものと予想されます。
ぜひ「プライマリ認定」の資格を取得して、さらに活躍の場を広げてみてはいかがでしょう。