2020年06月10日

患者などの悩みや不安に寄り添うコミュニケーション

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

770万人もいる団塊世代が既に高齢者の年齢になり、2025年には全員が後期高齢者入りします。10年ほど前から人口減少社会で若者の減少と高齢者の増加が続いているので、現在は人口構造が大きく変化している最中といえます。

ほぼ飽和状態が来たと囁かれている薬局などの増加

人口減少社会でありながら若者の減少と高齢者の増加する状況を見据えて20年ほど前から大学や専門学校で薬学系学部、学科の新増設が行われてきました。その結果、薬学系の入学生が増えて毎年、1万人ほどの薬剤師が社会に輩出されてきました。

それでも、つい最近までは医薬分業が進んで病院の周辺に薬局やドラッグストアが増えて求人募集が多くて国家試験合格者の引っ張りだこが続いてきました。実務経験の少ない彼らでも求人状況は好調でした。人手不足で雇用環境が良かったので、労働条件の良い薬局やドラッグストアを渡り歩いて転職する人の存在も話題になっていました。

ところが、薬局などがコンビニとほぼ同数まで増えてしまうと最近、全国的に見てほぼ飽和状態が来たと囁かれています。

薬局などの調剤業務主体からスキルアップを図る行動

このため、多数の合格者が今後引き続き、この業界へ職を求めてくるとこれ以上希望の職に就くことが厳しくなってくるはずです。こうした業界の雇用環境の変化を読んで、更に看護師資格を取ってダブルライセンスを目指したり、関連する他の資格を取得して周囲との差別化を図ろうとする人も増えてくるはずです。

更に、医薬品企業に入社して医薬品の研究開発などに向かう人も増えてくるでしょう。いずれも薬剤師としての就職が飽和状態になることを見越して更にスキルアップを図ろうとする行動が必要だと気づいた人の動きでしょう。

一方で、既に営業中の薬局などの作業現場でも従来から行われている調剤業務にはAI導入と共に自動化による省力化が始まっています。

社会の高齢化に伴って増える服薬管理や体調管理業務

いずれ、年に1万人の国家試験合格者を吸収できる今までの状態が一変し、薬剤師の余剰感が業界にも表れてくるとみられています。その代わりに、今後高齢化が進んでいくと益々、高齢の患者や要介護者の増加が予想され、医療機関などと連携して患者などの服薬管理や体調管理が大切な業務になっていくはずです。

中でも、今後、増加していく在宅の患者や要介護者への配慮が必要になりそうです。それには患者や家族などとの信頼感の育まれていることが必要になります。患者などが心を開いて話す悩みや不安に寄り添って応対できるコミュニケーションスキルが必要です。

このスキルアップには患者などとの日々の会話で回数を重ねる必要がある他にセミナー研修で効果的なスキルアップを図る術を学ぶことが可能です。