2017年04月11日

患者の生活に寄り添った医療を提供するには

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近年、長寿国と言われるようになった日本ですが、より健康的で元気で長生きしてこそ真の健康長寿国だという考え方が広まっています。そのためにも生活習慣病を改善することは大切で、医療スタッフにも、その専門的な知識とスタッフ同士での医療連携が求められています。

■医療分野において求められる専門性

近年、医療分野での成長は目覚ましいものがあり、一昔前までは治療法すらなかった病気でも、今ではほぼ完治可能になるなど、医療の進歩には目を見張るものがあります。その一方で、研究の結果、病気が複雑化してきたり、多種多様な新薬が開発されたりと、医療スタッフにはより専門的な知識が求められるようになりました。また、日本は世界の中でも長寿国と言われてきましたが、平均寿命が長くなるとともに高齢者の健康寿命の考え方にも注目が高まっています。高血圧、糖尿病など重大な病につながる疾病を予防し、より健康で元気に長生きしてこそ真の長寿国であるという考えが浸透してきています。そのような背景においても、医療に携わるスタッフの専門的な知識と経験が必要となってくると言えます。

■医療スタッフに求められる専門的な知識

医療の現場には、様々な役割を担った専門スタッフがいます。もちろん、医師には小児科医や脳神経外科医など専門的な肩書がありますが、その他のスタッフにも専門性が求められます。薬を調剤し患者に提供する薬剤師にも病気に対する専門知識が求められ、患者の年齢や他の病気の薬との組み合わせ、薬の副作用など細部にわたって配慮が必要です。医療の発展により治療法が複雑化している今だからこそ、薬剤師とってもより専門性が求められる時代となってきました。また、生活習慣病の代表格とも言える糖尿病のように、患者の食生活のサポートが重要になる疾病もあります。このような病には病気に対する専門性が重要であり、医療に携わるスタッフの専門的な知識と経験が必要となってくると言えます。

■生活習慣病予防のために重要な事とは

近年、糖尿病は「5疾病・5事業および在宅医療」の1疾病として取り上げられ、糖尿病の予防・治療には、患者自身による生活習慣の自己管理に加えて、糖尿病の知識を有する管理栄養士、看護師などの専門職種と連携して実施する医療サービスが必要であると提唱されました。その中でも、認定薬剤師は糖尿病の薬物療法に十分な知識と技能を用い、質の高い医療や教育、研究を行う医療スタッフと位置づけられています。認定薬剤師になるためには実務経験が二年以上、日本くすりと糖尿病学会による厳しい基準など、様々なハードルをクリアしなければいけません。しかし、生活習慣病を見直す事は健康長寿国を目指す日本において大切であり、専門知識を持った薬剤師が他のスタッフと連携して患者と向き合うことは大変重要な事と言えます。