2018年10月07日

知っておくと役に立つ医療に関する知識

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薬科大学はこれまで4年制でしたが6年制へと移行するに伴って、学生の実習でもバイタルサインのトレーニングが行われるようになりました。薬剤師が行うことができる法律の範囲内での医療に関する行為にはいったいどのようなものがあるのでしょうか。

知っておきたい医療行為と医行為の違い

医療行為という言葉を聞いたことがよくあるかもしれませんが、実はこの言葉の定義ははっきりと定まっているわけではありません。医行為のサポートという意味合いで用いられていることが多いと言えます。また医行為という言葉には絶対的医行為と相対的医行為があり、前者は医師のみ行うことができるオペのような行為を指します。

一方で後者は看護師が行っている行為のことを意味します。この相対的医行為の範囲内においては看護師だけではなく薬剤師も行うことが今後増えてくると考えられています。

バイタルサインと医師以外でも行える行為

学生の実習にも取り入れられているバイタルサインのトレーニングとはいったいどのようなものなのでしょうか。バイタルサインとは血圧や脈拍、体温を指し、これらを測定することを意味します。

聴診器を使って胸の鼓動や脈拍を確認できるようになる必要があるということになります。医療行為に含まれないものには検温や血圧の測定、検尿や口腔内の清拭、薬を服用するときの介助や肺活量の測定などが挙げられます。

またグレーゾーンとしては喀痰吸引や経管栄養が挙げられ、これらの行為は研修を受けた介護士が福祉介護施設で行うことができるようになりました。

調剤薬局に設置されている検体測定室

調剤薬局の中には検体測定室を設置しているところがあり、そこでは特定の健康検査が安く測定できるというメリットがあるため注目されています。採血してから血糖値やHDL、LDLなどを測定することができます。

ただし様々な規定が設けられており、採血や消毒は自分で行う必要があります。また服用歴で止血が難しいと判断された場合には測定が受けられないことがあるため注意しなければなりません。測定した結果についても自分で判断する必要があり、この結果を診療のために利用することはできません。

このようなサービスは全国で店舗を展開している大手のドラッグストアでも導入されているところがあるため、一般の人々の間でも認知度が高まってきています。測定結果が出るスピードは項目によって異なり、その場ですぐに出るものもあれば1週間後に出るものもあります。